中華タブレットのBIOSを飛ばして文鎮化⇒Raspberry Piを使って復旧させる!


故障して修理に出した富士通のWindowsタブレット WQ1/Mの繋ぎとして購入してみたRetina 7.9インチ中華タブレットのX89HD
修理から戻ってきたWQ1/Mは画面の端が常に緑色点灯状態になっている
2014-09-20 10.23.47 2014-09-20 10.23.16という酷い状態になっていたので、再修理に出ていてまだ帰ってきていない。(1か月以上使えない状態を継続させるとはさすが富士通)

X89HDも充電できなくなるという初期不良で交換したものが届いたので改めて弄ることができるようになった。

http://bbs.teclast.com/thread-249542-1-1.html
に中華タブレット X89HDをWindowsにしたりAndroidにしたり切り替えたりできる内容が書いてあったので、
ちょっとAndroidにしてみようとか思っちゃったんだよ。

Windows上からおなじみのfptコマンドでBIOS部分をWindows起動用のUEFIからAndroid起動用のfastboot用のイメージに書き換えて再起動!

すると、Intel Insideロゴがでてそれからウントモスントモ言わない状態になっちまった。

2014-09-25 08.01.52

文鎮化決定!さすがに保証外の事をやったので修理にも出せない。

先ほどのリンク先、上の方にこんなことが書いてあった。

中国語の警告

google翻訳さんにかけた内容を意訳すると、
「最初からWindows版の機種でやると壊れるよ」

注意書きを華麗にスルーしてしまったぜ。

どうせ保証が効かないんだったらってことで殻割りしてみた。

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メインボード上の素子を眺めてみると、WinBond 25Q64DWSIGという8Pinの素子を発見。
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これが飛ばしてしまったシリアルFlashROMか。

これを書きなおすことができれば復旧できるんだよなぁ。

ということで簡単にFlashROM書き込みができないか調べてみた。

  1. 市販のROMライター
    http://www.ratoc-e2estore.com/products/detail.php?product_id=36
    2万円
    市販の組み込み機器開発関連装置としては破格の安ささと思うけど、2万も出すとなるともう1台タブレットを買いたくなる金額
  2. AT90USB162ボード
    http://firtel.blogspot.jp/2014/01/at90usb162-bios-recovery.html
    500円
    USBマイコンからROMwriteできるらしい。ebayで500円とか。
  3. Raspberry PI
    http://www.win-raid.com/t58f16-Guide-Recover-from-failed-BIOS-flash-using-Raspberry-PI.html
    0円 (すでに持っているので)
    Raspberry PIのGPIOに直結すればFlash ROMを読み書きできるらしい。

どうやら、銅線とかが用意できれば機械類は0円でできちゃうらしいのでRaspberry PIで
超低能はんだ付けスキルでシリアルFlashROM Writeにチャレンジ

家のどこかにははんだゴテとテスターがあるはずなんだけど、すぐに出てこなさそうなので、
アキバの千石電商でテスター(500円)とはんだゴテセット(2000円)を必要そうな銅線類とともに調達。

とりあえず、メインボードに付いたままの状態で、信号線を引っ張り出してみた。
前の職場で近くの席のハードウェア担当の人がよくやっていたからできるかなっ?って思った。

2014-09-28 17.19.27一応なんとか引っ張り出してみて、flashrom Readコマンドを実行してみたものの。
“chip not Found”

ウチのようなニワカ電気工学専攻卒業生にはこんな細かい作業は無理だった。ってか年のせいか細かいものが見えん。
前の職場のハード担当の人が高度技術だったんだね。
それ以前に見たときは素子の足から線を引っ張るんじゃなくて、ボード上の別のところから取っていたような気がした。
でも回路図とかないとどこに通じてるかなんてわからん。多層基板だし。

ということでメインボードからFlashROMチップを取り外す方法に方向転換。

ちなみに付け外しの方法はYoutubeにあった。
便利な世の中になったもんだ。(実技的なものに限らずwikipediaとyoutubeがあれば高校時代までに習ったことがすべて復習できそう)

外し方
https://www.youtube.com/watch?v=Ia9K_c934xw&hd=1
↑これをやると再利用できないので後処理だけ参考にした
https://www.youtube.com/watch?v=kwaoHQ0wPRA&hd=1
↑こちらの方法で

付け方
https://www.youtube.com/watch?v=U-o9WzSgO0g&hd=1

再び千石電商で変換基板(60円)と作業用ルーペ(1800円)
http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=2APF-NLDJ

を調達。

youtubeの方法で元のメインボードから外して、変換基板に取りつけ、
変換基板にジャンプワイヤの導線とかをはんだ付けして完成。

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Raspberry PiのGPIOに接続して

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とりあえず、ROMの中身をReadしてみる。

readstartreadfinish認識して読みだせた!
はんだ付けのドタバタで壊れたりしてなくてよかった。

そのまま、Windows用ROMイメージを書きこむ。

writestartwriterfinish

成功した!Verifyまで通ったってことは書き込まれた内容も大丈夫ってことだね。

FlashROMの内容が復元できたので、再び元のメインボードに取り付け。チップ抵抗の1つや2つくらいどっかに飛んで行ってしまっていてもおかしくないが…

2014-09-30 05.23.30
一度、取り付けてから電源を入れると前出ていたIntel Insideのロゴすらも出ずに真っ黒画面のままになってしまった。

2014-09-30 23.05.52
KCカードの支払金額の10%キャッシュバックの開催中の今のうちにもう1台ポチってしまいたくなるところだ。

何も出てこないということはFlashROMが取り付けられていないのと同じ状態=取り付けが甘かったんじゃね?と思い直して
もう一度外して、はんだ吸い取り線でメインボード上をもう一度きれいにしてから取りつける。

すると、

復旧完了

起動した、Windowsが帰ってきたー!

この面倒な作業がまた発生する可能性があるのかと思うと、Android化はしばらくやらなくていいかなって思ってしまうのであった・・・。

低はんだ付けスキルでやったもんだから自然にポロリと部品が外れてこないか心配だ…。

  1. #1 by 「こう」 on 2014年10月1日 - 7:13 AM

    ほんとにやったんですか! そして成功している…ww

    ちなみに中国語の説明は
    「本バージョンのWin8.1ファームウェアは、台電科技X89HD・Android版(のOS)上書きのみに適用されるものです。
    台電科技X89HD・Win8版は、すでに正規品のWin8.1システムがプリインストールされています。
    本バージョンのファームウェアを更に上書きする必要はありませんし、この説明に基づいてAndroidシステムを上書きする必要もありません。
    もしもそのようなことをすれば、正規品のWin8.1を失うことになるでしょう。」
    って書いてありますね…。

    • #2 by ゆう@ふーりんことゆえっち on 2014年10月1日 - 9:20 AM

      おぉ、ちゃんと訳してくれてありがとうです。
      「正規品のWin8.1を失うことになる」というのはWindowsライセンスのことだと思ったけど、機械的にロストするってことだったのか、
      それともたまたま失敗しちゃったのか・・・。

      • #3 by 「こう」 on 2014年10月1日 - 7:58 PM

        文脈的には「必ず失う」としか書いてないですねー…
        ただ、なんかの雑誌で「最近のタブレットとかにはWindowsのシリアルナンバーシールが貼ってありませんが、これはROM(だったと思う)にシリアルナンバーが記録されているからです」とか読んだ記憶が……うん、やっぱりライセンス喪失とも機械的ロストとも読めてしまえますねww

(公開されません。ってか記入しなくてもいいです)